ウクレレ

ウクレレのオクターブピッチについて

オクターブピッチとは?

HANA
オクターブピッチって、なんだろ〜🤔??
Shinji
ウクレレやギターなどの弦楽器で、「この楽器はオクターブピッチが合わない」と言うことが時々あるよね。

一般的には、「解放弦できちんと音程を合わせたのに、12フレットを押さえて弾いてみると本来の1オクターブ上の音と音程が合わない。微妙にずれている。」という状態を言うんだよ。

これが合っていないと、ハイポジションでの演奏で和音が自然な響きに聞こえずに耳障りな響きになり、演奏にも支障が出てしまうんだ。なんとか解決したいのだけど、ひと言で「オクターブピッチが合わない」と言っても、実はその原因には様々な要因があるんだよ。

 

今回はその「オクターブピッチが合わない」要因について分かりやすく説明をしてみたいと思います。

理解していただきたいのは、「ピッチが合わない」といった時点で「この楽器は使えない楽器」というわけではなく、楽器の状態をきちんと調べ理解し、適切に調整することで快適に使う事ができるということです。

実際のところ、ひと昔前はウクレレはそれほど正確には音程が合わない楽器というイメージが強く、逆にその微妙な音痴なところが可愛らしさを生んでいたようなイメージもあったと思います。
しかし、現在ではウクレレソロと呼ばれる演奏形態も増え、楽器の精度や音程の正確さもかなりレベルの高いものが要求されるようになってきています。

貴方の愛器を気持ちよく弾き続け、演奏の質もグレードアップさせていくためにも、ピッチが合わないメカニズムをしっかりと理解しましょう。

 

オクターブピッチが合わない原因は?

まずオクターブピッチが合わない原因ですが、ざっくりと4つに分けられると思います。

1.弦の高さ方向の問題
2.弦の太さの問題
3.弦の長さ方向の問題
4.弦自体の精度の問題

 

さて、ひとつずつ説明してみましょう。

1.「弦の高さ方向の問題」

Shinji

 この「弦高」というのがそのそもギターなどの弦楽器のチューニングが合わない最大の原因と言われています。
 「弦高」があるが故に12フレット上のハーモニクスと、12フレットを「押さえた」時の音程がずれてしまいます。例えば12フレットでの弦高が2ミリ有ったとすると、その部分を押さえる時に2ミリ分弦が伸びてしまいます。分かりやすく言えば、2ミリチョーキングをしたのと同じ意味なのです。

 弦のびびりという問題が無視出来て弦高がゼロに出来ればこの音程のずれは無いのですが、実際は弦を弾いた時の弦の揺れ(振幅)がある以上、その振幅がフレットに当たらない程度の弦高はどうしても必要です。となると、フレットのある弦楽器はオクターブピッチが合わないという事になります。
 特に、ナットやサドルの高さ調整が不十分で、弦高が必要以上に高くなっている場合はこの音程のずれが大きくなりますね。

 

2.「弦の太さの問題」

 

Shinji
弦が太くなると、ナットやサドルと弦の接点で弦が素直に折れ曲がってくれなくなります。
曲がった前後で弦が「こわばった」状態になっていて、そのせいで実際にきれいに素直に振動できる部分が短くなってしまいます。結果、サドルが少し前にあるのと同じ状態になってしまい音程が合わなくなります。
これを解決するには、弦を結んである部分からサドルへの角度を極力緩やかにするか、サドル形状を工夫して弦が緩やかに曲がるようにするという工夫をする必要があります。

3.「弦の長さ方向の問題」

 

Shinji
本来は物理学的な理論上のサドルの位置は、ナット(ゼロフレット)から12フレットまでの距離のちょうど2倍の距離です。   
 しかし、実際は先ほどの弦高問題があり、弦高を極力低く設定したとしても結局それはゼロにはできないので、弦を押さえた時にずれてしまう音程をサドルの位置で調整する事になります。また、各弦ごとの太さに応じた音程のずれの補正も必要になります。
 このあたりは各楽器メーカーごとに設定は違うと思いますが、理論上のサドル位置プラス1〜3ミリという数値が一般的かと思います。

 そして、このブリッジやサドルの位置が結果的に適正で無い場合はオクターブピッチがずれてしまいます。
 何らかの工程上の理由で、計算上の理想的なサドル位置から前後にずれてしまっている事が原因だったり、使用環境や弦の種類によって変わってくることもありますから、リペアショップなどに相談して正しい位置に補正する事が必要となります。

 

4.「弦自体の精度の問題」

Shinji
 ウクレレ弦の製作工程にはそれほど詳しいわけではありませんが、工業製品である以上多少の不良率というのは存在します。

弦の長さの中で完璧に太さが変わらないと言うことも難しいでしょうし、どうしても太さのムラは出てくると思います。
また、場合によっては弦を張る時に不要に折り曲げてしまうことも考えられます。ブリッジに弦を結びつけて引っ張る時に、指に巻き付けてグイグイ引っ張ったりしていないでしょうか。

 弦の太さが不均一だったり、途中で折れ曲がったりしてしまうと当然弦振動は理想的なものにはなりません。  きれいな弦振動を得るためにも、弦のクオリティや張り方に気を付けましょう。
おかしいな、と思ったら新しい弦に変えてみるのも一つのチェックになりますね。

 

 ♪

さて、様々な原因を見てきましたが、ほとんどの原因は(完璧にとは言えないまでも)ある程度の改善は可能です。
4弦全てのピッチが合わないのか、それともどれか1本だけなのか。ブリッジサドルの位置はどうなっているのか。

慣れていない方が独断であちこちいじってしまうことはあまりお勧めしませんが、信頼できる楽器店やリペア専門店さんに相談していただければ良い結果は得られると思います。


HANA
わかりましたー。
「自分の楽器はダメだ」って諦めないで、相談してみるのがいいんだね。聞いてみよう!(^^)/


【参考になるサイト】

弦の張力と音程の関係。弦の太さと音程の関係 (京都教育大学)

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