ひとりごと

ファイター

僕が子供の頃は、(ボクシングではないけど)格闘技にはあの「真空飛び膝蹴り」の沢村忠さんとかがいらして、「常人の技ではない」ものを見せてもらった。天才の上に努力を重ねたものだと思う。その昔には力道山もいたし、新しくはタイガーマスクもいた。具志堅さんはちょっと口数は多かったかもしれない。いや、多くはないが記憶に残ったのか。

多くの人たちは、闘志を秘めて寡黙だったと思う。

でも、(アスリートではないが)高倉健さんなども見るに付け、僕なりに「賢者、強者は寡黙だ」と理解している。ゴルゴ13だって、無駄なことはしゃべらない。あ、余分か。でも、それが日本男児の美学では無かったの?

判定が??だったことは置いといたとして。また、とにかく19歳で約束通り世界タイトルを手にした事も偉いと思う。小さい頃からの途方もない努力があるのだと思う。僕なんかはとうていかなわない。

でも、そのすべてを天秤にかけても彼のあの立ち居振る舞いはサムライの精神に沿わない。いかに強かったとしても、残念ながら日本人の男として僕は好きにはなれない。
試合直後、最終ラウンドまで戦った相手を称える言葉も無いのだろうか。
試合翌日のインタビューを喜んで取り上げ、19歳の子供の失礼を失礼と言わないTV局も見るからに金儲け主義だ。

ああいった振る舞いを今の若い男の子たちが見て、「おぉ、どうも今はああいうのが女性に受けるらしい。俺もやろう」などと思わなければいいんだけど。聞けばリングサイドには日本のセレブたちが並んでるそうですね。

いや、もちろん男の子が世界を目指し、不屈の闘志で鍛練を重ねるのは素晴らしい事。どんどんやって欲しい。彼を見て世界を目指す男子が続出したらほんとに素晴らしい。
僕が気になるのはあくまで礼儀。

そのうちあの脳天気な日本の首相あたりが官邸に呼んでねぎらったりしそうだなーなんて気をもんでいる今日である。

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