良い楽器を作るのに一番大切なものは? と聞かれたらどんなふうに答えるでしょう。
技術? 道具? 設備? 職人魂? 制作上の知識?
そうですね。色んなものがあると思います。
でも、特にアコースティック系の楽器の作り手にとって一番大切なものは、素材です。
言い換えれば木材。それも良質な木材ですね。
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最近良く楽器作りのことを聞かれて答える時に、お寿司屋さんに例えてお話しすることが多いのですが...。
もちろんおいしい寿司の条件に、魚のさばき方、シャリの炊き方、清潔さ、にぎりの技術、なんてのも大事だと思います。
でも、一番お寿司に大切なのは美味しくて新鮮なネタ。つまり板前さんが良い魚や貝を手に入れることが何よりも大切ではないでしょうか。
何処で仕入れるか。誰から仕入れるか。いつ仕入れるか。どうやって保存するか。
いいネタが無ければ、どんなに板前さんが腕が良くても美味しい寿司は握れないですよね。言い換えれば、良いネタを仕入れて来られるという事も板前さんの大切な技術なんだと思います。
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ウクレレ作ってると本当に素材のチカラに驚かされることがよくあります。
全く同じに作っても、素材ごとに全く違う音色があります。
僕らの「技術」は、「自分が意図した音を作り上げる」のではなく、「素材のチカラを素直に引き出す」事ではないかと最近思います。
「そのネタが一番おいしく感じられる調理方法」を考え出すのが大切なのかな、と思います。
ティーズギターの材木倉庫には、寿司屋のカウンターのショーケースよろしく色んな木材が仕舞ってあります。
ゆっくり乾燥しながら、それぞれの出番を待っています。時々倉庫に行って眺めてるだけでも相当楽しいですよ(^_^)