ウクレレのボディ内部には、表甲や裏板の内側に接着して、板を補強するための「力木(ちからぎ)」という部品があります。
ブレーシングとも呼ばれますね。
この画像の板は、その力木を作るための材料です。
左側がレッドシダー。右に写っている白っぽいのがシトカスプルースです。
軽くて柔らかい夏目と、硬く緻密な冬目の組織を交互に持つ針葉樹(松や杉)の、「軽くて丈夫」な特性が「楽器の微細な振動を極力邪魔せずに、補強をする」といった目的に向いているので良く使われます。
力木には「補強」、といった目的と同時に、ブリッジの振動を効率良くボディ各部に伝え、音質をコントロールする、といった役割もあります。
でもその「軽くて丈夫」を実現するのには、「完全な柾目で真っ直ぐに木目が通っている」ことがとても重要です。
この画像を見ると、板の平面に対して垂直に木目が立ち、長さ方向にも真っ直ぐになっているのが分かると思います。
実際にこういった板材になるように木を挽き割るのはとても手間がかかり、しかも使えない部分もかなり出てしまう、贅沢な木取りなんです。
楽器は本当に慎重に大切に選び抜かれた、貴重な材料で作られているんですね。