音楽

Rock in Japan Fes に思う

1日45,300人、3日で135,900人の入場者。 13万5千9百人!

それを向かえ打つアーティスト、出演者は、GRASS・LAKE・SOUND OF FORESTの各ステージで1日22組、3日間で69組。その他にもWing Tent とDJ Boothで61組のアーティスト...。

最高気温32度の中、見る側も演奏する側もそれを楽しんだ3日間。

スゴい事だと思う。  何がってさ...

ほとんどの入場者は20代だと思うし、ティーンエージャーも多い事だろう。見渡しても僕と同じような40代の参加者はホンとに本当に数えるほど。

普通大人が考えるに、「10代20代のロックやヒップホップ、パンク好きの連中が毎日4万人以上も集まったらそれこそ収拾が付かないだろう。しかもそこには酒も売ってるし大音量の音楽が常にあるんだ。酔っ払いも喧嘩も有って、ルールを守れない奴らばかりで大騒ぎだろ」 と思うに違いない。

しかし、あにはからんや。

彼らは僕らの想像よりもはるかに”ちゃんと”してる。

早朝。入場前の果てしなく並んだ列の中も割り込んでくる奴はほとんどいない。ぎっしり並んだ列の中でタバコを吸う奴もまず居ない。横のほうに設けられた喫煙所でちゃんと吸っている。ゴミもほとんど目立たないし、大声でしゃべっている奴もいなかったと思う。

まぁ、彼らが地べたに座り込むのはもうそういう文化なので仕方ないのかなと思うし、女の子が列に並びながら化粧をするのももうこっちが慣れた感じ。(^_^;)

大人の世界では、そうやって何時間も待った挙句にやっとゲートが開けば、「我先に」ゲートに人が殺到し、係員の制止も聞かずに前へ前へどんどんと詰めてしまうものだろう。

実際今回は、ホンとに整然と落ち着いて入場のプロセスが進んでいた。ゲート直前で、前方が混み過ぎてしまって係員がストップをかけたりしても、特にブーイングも出ない。みんな自分の好きなアーチストに会える事をドキドキしながら待ち、他の人達の迷惑にならぬよう、譲り合って並んでいる。

僕らの若かりし頃のロック少年達は、それこそアンチ大人で、アナーキーで、大人に対してブーイングするために音楽をやり、ルールを守らないことが誇り、みたいな馬鹿げた思想をある程度は持っていたように思う。僕も確かその一員だったかな...。

今の彼らは優しい心と思いやりを持っていて、その場所で音楽を楽しむ全員が、心からFesを楽しめるよう気配りをしているように思えた。

Fesは、今年から初めて会場全体が禁煙になったようだ。
タバコを吸いたい人は、会場の数箇所に設けられている喫煙場所に行って吸わなければならない。くわえタバコで踊ったりなんて出来ないのだ。
3日間通して、タバコの煙が大っ嫌いな僕が、不快な思いをした記憶が無い。みんなきちんとルールを守っていた。

これは、Fesに集まっている人数から考えたら、本当に素晴らしい事だと思う。渋谷さん、すごいよ。

それからゴミ。

普通に考えて、毎日4万人が飲んで踊って食べて歌って騒げば、そこにはかなりのゴミが生じる。

でも今回、このゴミに関しても不快に感じたことがほとんど無かった。

会場のあちこちにゴミ箱が置いてある。きちんと「燃える物」、「燃えない物」とか分別して捨てるシステム。

このゴミ箱が、いつ見てもきれいなのですよ。感心するくらい。つうか実際感心した。
スタッフの方達の努力は並大抵のものではあるまい。
それほど大きなゴミ箱ではないのだけど、あふれている光景が無かったのだ。3日間通してどのゴミ箱も。
たぶん30分と置かずに係りの人達が巡回してゴミを回収しているに違いない。ほんとに彼らのお陰で僕達は不快な思いをせずに、純粋に音楽を楽しむことが出来たのだ。
若者達が音楽を楽しんでいるフィールドにもほとんどゴミが見当たらなかったことも付け加えたい。

吸殻も無い、ゴミも無い。譲り合いがあって笑顔が有って、残るのは楽しい思い出。

出来すぎた言葉のようだけども、ほんとにそういう素晴らしいRock Fesだった。

3日間のFesが終わり、帰りの高速道路。

立ち寄ったサービスエリアで見かけたのは、明らかに家庭から持ち込まれたであろう、ゴミが詰め込まれ、あふれたゴミ箱。
さほど広くない食事用のスペースで、トレイを持ったまま空きテーブルを探す人達を尻目に、食後のいつ果てるともない無駄話を続けるおっさん、おばさん達。

たまりかねて、「ここ、そろそろ空きますか?」と聞けば、
「あー、うちは子供が食べるのが遅くてねー。すんません」といいながら馬鹿っ話しを続ける...。

しかも、やっと空いたかと思えば、テーブルの上は、米粒やらラーメンの汁やらで汚しっぱなし...

なんだよ...

ダメなのは大人なんじゃねえか。

僕は、なんだか今までに無いがっかりした気持ちを抱えて高速を家に向かって走り続けた。

あれが大人なら、僕は大人になんかなりたくないや。

 

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