ハカランダを眺めながら思った

良い素材(木材)を見つけて仕入れて来る。

「割れるんじゃないよ。きれいに乾くんだよ」と念じながら桟木を入れ、慎重に積む。反りを封じ込めるためしっかりと重しをする。

どんな風に使ったらよりその木材が生きるか考えながら何年も寝かせる。

時々出してきて触ってみたりする。コンコンしてみたりもする。

お金(資金)もその木材を寝かした年数だけ眠ってしまう。でも、この木の音色が良くなるため、と思ってぐっと我慢する。幸せを貯金するみたいなものか。

木はその間、少しずつ息を吸ったり吐いたりしながら昏々と眠り続ける。ほんの僅かずつその細胞壁の中の水が抜け出し、僅かずつ組成が変わっていく。

数年後、桟木をはずし、埃を払い、板を削る。

手で触り、撫ぜ擦り、音を確かめ人知れずにやりとする。

木が生きてきた年数に敬意を払いつつ、その第二の生を価値あるものにするべく、自分の持つ経験と技量のすべてを注ぎ込み、ひとつの楽器に仕上げる。

そして出来上がったその楽器と出会うはずの人に橋渡しをし、彼らの幸せを願う。

 

そういう仕事でよかった。

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